森のエビフライを探して奥祖谷観光周遊モノレール
森のえびフライとは
森の中に突然おちているエビフライ。もちろん海老に衣をまぶして揚げた、あの魅惑の食品ではありません。あぁ、こうしてるうちにだんだんエビフライを食べたくなって困ります。困りす。
作者はリス先生
そう、困りすなのです。いや、リスなのです。まだ傘の開く前の松ぼっくりには傘の下においしい実がつまっていまりす。それを丁寧に食べながら作る創作物、それが「森のえびフライ」なのでりす。つまり森のえびフライはリス先生が生息している場所でないと見つからないのでりす。
尾道を含む中国地方にリスはもういない(限りなく)
ざっくり調べてみたところ、貴重な調査データに出会いました。
独立行政法人森林総合研究所多摩森林科学園 さん倉吉ニホンリスの会 さん鳥取大学農学部 さんによる調査結果をまとめた中国地方におけるニホンリスの生息調査 (日本哺乳類学会)です。
これによると、なんとショッキングな出だしが
中国地方のニホンリスは環境省のレッドデータブックで絶滅のおそれがある地域個体群(LP)とされているさらに衝撃的な締めくくりとして
中国地方で,調査した地点数に対する食痕発見率は 非常に低かった.中国地方の中では比較的高頻度で生息 していると考えられる鳥取県でも,総調査地点に対して 生息している証拠が得られた地点の割合は 36%という 値で,山梨県の半分以下である.現在は生息が認められ ている岡山県や鳥取県においても,中国地方西部の区域 と同様の状況になる可能性もあり,地域個体群の保全を 積極的に考えていかなくてはならないだろう.との一節で結ばれていました。リス先生…
四国の神々の棲む山と森
そんな消沈していた時、ざっくり検索して見つけた四国森林管理局ページ。四国最高峰の石鎚山地区と剣山地区の2箇所が国有林に指定されており、野生動物が保護されているということなのです。
石鎚山地区
その中でリスについての記述は石鎚山地区でみつけたのですが、石鎚山周辺はことのほか人の寄せ付けない険しい神々の棲む山です。ふだんからゆるい生活をしている僕にはとても無事に生きて帰れる予感がしません(フィクション解釈はいります)剣山地区
剣山も石鎚山とならぶ深い山なのですが、なんとその中をモノレールで移動できる施設が運営されているというのです!神々に近づくのは恐れ多いのですが、乗っておくだけでいいのであれば探索に入りたいではないですか。いや、ありがたく利用させていただきたいでりす。奥祖谷観光周遊モノレール
映画「祖谷物語―おくのひと―」ではその想像を超えた秘境の様子を見ることができるあの祖谷です。イヤと読みます。そのイヤの中でも奥とつく名称です。そこに全行程70分の自律走行型モノレールが敷設されているのです。
いやしの湯温泉郷さん
この日は早朝に到着してしまったので、ほんとんど利用できませんでしたが、いい感じの食堂ではうどんや定食もいただけるようでしたし、温泉や宿泊施設も品が良くていい感じでした。モノレールの長い時間トイレ休憩はなしなので、お土産の買い物のがてたこちらを使わせていただきました。
70分の自然への溶け込み体験
自立走行型なので、全体でひとつの連結されたイモムシのような車両が走っているのではなく、てんとう虫のような二人乗りの車両が数台同時に走行しているのです。なんということでしょう。脱輪しないゴーカートのようなものです。生きて帰れるのでしょうか。
えびフライはモノレールでみつけて、GoogleマップにでもGPSメモして後で歩いて拾いにいけばいいやと思っていた大自然をなめていた僕は最初の説明で土下座謝罪感に見舞われました。ごめんなさい。
ゆずれもんで生還を実感
えびフライもリスもみつけられませんでした。70分だからのんびりしたスピードで走行すると思っていたら予想外の速さだし、地面からの大部分距離をとった高さで探すのは困難でした。しかし、係の方のお話ではリスが元気に生きていることはよくわかりましたのでとてもうれしかったです。ゆずれもんんまい。
祖谷のかずら橋
このあたりは森を歩こうにも駐車できるスペースを探すのが困難です。そこで広い駐車場のあるぽいかずら橋にいくことにしました。外国人さんを含む大勢の悲鳴が響き渡る渓谷
橋を渡るつもりはなかったのですが、あまりの悲鳴と大行列に「うちらも渡りたい」との判断が下されました。コンクリートの橋を渡り、通行料550円を払ってツルで編まれた橋を渡って戻ってきました。その後、周辺を歩いてみましたが森のえびフライはみつかりませんでした。
大歩危峡観光遊覧船
首脳陣の冷静な判断によって川にも調査エリアを拡大することになりました。
ライフジャケットを着用で緊迫する森えびフライ探索
なんどもリスに遭遇しましたが、よくみるとリスに擬態した他の動物達でした。ここをエリアに加えることで調査隊の雰囲気もなごみ、険悪ムードのリスクを回避できました。リス探し中のリスクはフリスクでも回避はむずかしはずです。その後、大自然の神々に化かされ、道をどこかで間違えたためお宿への到着が思いの外遅くなり、昼ごはんも食べてなかった調査隊には再び緊迫感のとばりが降りてきつつありました。そこで急遽まわるお寿司の店さんの看板にすがるようになだれ込み、無意識に注文した天ぷらうどんをいただきました。やっと正気を取り戻しお宿に到着。朝も早かったので眠りながら夕食と風呂を済ませ翌日となりました。
燧(ひうち)のいりこは日本一
前回の旅ですっかりうどんにも魅了された僕は、今回もんまいうどんを食べようと思いました。麺のんまさはどこのお店もすばらしいので、今回は瀬戸内のいりこ出汁との組み合わせを楽しみたいと西端手打 上戸さんを訪ねました。んまい。
銭形砂絵「寛永通宝」
最後に紫雲出山あたりを探索するつもりだったので、途中ついでに銭形砂絵「寛永通宝」に寄りました。
オーパーツといっていい光景
誰が何のために作ったものなのか。いまの瞬間人類が消えたら、あとで生まれる地球の支配者は悩むでしょう。ちょうど僕らがモアイ像にロマンを感じるように。パイン飴どらやきんまい。
その山頂で!
僕がどらやきを食べ終わって遊歩道あたりに戻ってみると様奥が「えびフライみたいの、ころがってるよ」というではありませんか!え!
ついにそれっぽいのゲットです。ほんとにこれかはわかりませんが、これということにします。まさかこんなところで見つかるとは!
リスがいるという喜び
森のえびフライ(っぽいもの)をみつけた喜びもさることながら、僕らの住む中国地方では厳しい状況にあるリスがここにはいるのだという喜びに満たされました。ありがとう四国。ありがというリスさん。
紫雲出山遺跡館
もう目的は一応達成しましたが、もっと様々な森のえびフライとも出会いたいので予定通り紫雲出山に向かいました。Google Mapやストリートビューでの下見で、ここもなかなかの自然のようでした。とても見晴らしいのいいカフェです。双眼鏡も用意されているのです。
森のえびフライ探求の旅は続く
できれば中国地方でも出会いたいです。森のえびフライに。美しい瀬戸内海とおいしいお汁粉を食べながらそう思いました。もちろん全部いただきました。ゆっくり時間をかけて。
最後に、リスさん、思う存分んまい木ノ実を食べてください。僕らにみつからなくていいので楽しく生きてください。
追記
リスさんの創作の様子の映像を公開されている方がいらっしゃいました。
追記
松ぼっくりが開く時期はいつ頃なのか検索しててみつけたWebページ。いけないです。もう松ぼっくりや松までかわいく思えてきました。12月前半から中旬ころのようです。とすると僕が四国で拾ったのは一年前の森のエビフライの可能性が高いです。
季節の植物のうた→松ぼっくりができるまで
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