2015年4月18日土曜日

さくら湯を再発明してみた


さくら湯を再発明してみた

花見の季節は、さくらを満喫したもの勝ちです。さくらを如何にめでるか。木のしたで酒や弁当に舌鼓をうつのも最高ですし、ただ眺めながらただようのも一興です。そして最高にめでる方法は身体にとりこむことです。食べてしまいたいくらいすきというじゃないですか。

そうなると思いつくのは桜餅です。あれもとてもおいしくて大好きですが、もっと純粋にさくらそのものをあいすには「さくら湯」以上のものは思いつきません。塩漬けにしたさくらをお湯で戻して飲み干す。まるで血管に春風がふきこむようなすばらしい文化です。

ところが、世間に主で楽しまれるさくら湯は、加工段階で梅酢を使います。僕は以前からあの「桜」っていうより「梅」かっ?ていうくらいのつよいピンクに違和感を感じていました。梅茶ならいいんですけど、さくらとしては飲み込みづらい色と香りです。だってほんのり梅も香りそうで心配で、そっちにきをとられてさくらを能天気に楽しめないんです。

梅酢を使わない

そこで梅酢をつかわず、酢を使うことにしました。余計なものはつかわず塩だけでとも思ったんですが、酢は殺菌のためにやはり使いたいです。今回は尾道のそのまんま酢の物をついかいました。我が家には何本も常備している甘く加工された米酢です。で、さくらの花なんですが、本来は枝から摘むのですが、我が家には桜がありませんし、枝についたさくらを摘むのも気が引けます。なので落ちたばかりの新鮮な桜を探すことにしました。さくらのカーペットの中を探すのはウォーリーより難しく楽しいです。鳥の声がするあたりの中心に探してみます。

新鮮な桜の落花を探す

この探してあるく時間もさくらを全身でたのしむ楽しいひとときです。ひとつずつ厳選してひろっていきました。


風にとばされ

ぴゅーっとひろった一輪が飛んでしまったんですが、ビデヨではすぐひろってるようで実際は10分ほど探しています。だってさくらのカーペットの中からおちた桜をみつけるのはもう最高に難易度がたかい余興でした。


小鳥のおかげ

なぜ鳥の声のするあたりを探すのか。さくらというのは単体では咲いたあと、花びらが散りますが、椿のようにガクから花がポトリと落ちるというのはどういうことはありません。それは小鳥のしわざなのです。食べもしない花を摘んでおとす子達がいるようです。小鳥のおかげで花をまるごとひろうことができました。ありがとう小鳥のみなさん。


お湯を注ぐ

ひろってから一週間ほどたって、いよいよいただくときがきました。わくわくしてめまいがします。ゆげからことしの春がたちのぼってきます。

この手のなかで今年の春がゆらぐ

五臓六腑にしみわたるさくら湯。またはさくら茶。茶といってもカメリアシネンシスは含まれませんので純粋にピュアさくら茶です。同じブロッサム系のお茶であるローズティー
にも紅茶に香り付けされたものと、ローズブロッサムとローズヒップだけでつくるお茶の二種類がありますが、やはり文字通りお茶でお茶を濁してないそのものずばりでいただくと豊かさが違います。もしかしたら蒸留水などでお茶にしたほうがもっと濃密なんでしょう。けど、ガクやしべなどのすべてをアンサンブルでいただくのは、春ならではの格別な一杯です。春の日本に暮らしている価値のひとつといっていいなじゃないでしょうか。

梅酢バージョンと比べる

比べるとまったく別物です。ソメイヨシノやシロタエの多くが長寿を迎え、あわい色合いの花をつけますが、ここまでピンクだと八重桜かさくらんぼの桜のようです。それはそれですてきなのです。ただ、お花見でイメージする僕にとっての桜はやはりソメイヨシノ。あわい香りと色をうっすらとめでるところに赴きがあります。

ちなみに、酢と塩でつけてしまったら酢の匂いがするんじゃないかと心配されるかもしれませんが、まったく心配いりません。むしろうっすらさくらの香りを楽しめました。

またいつか さくら湯 をたのしみたいと思います。


さくらをひろった場所は、僕のすむ世界の中心 おのみち の山手でした。ありがとう小鳥。ありがとう地球。

2 件のコメント:

  1. 今年は特に桜が散るのが早くて残念でしたが、
    漬けて楽しめばもう少し長く桜を味わえていいですね♬*゚

    桜も近隣ではあと八重桜となってしまいましたので
    またの時季にソメイヨシノを初漬けてみるのを楽しみにします❁*✲゚*

    ✿❀ありがとうございました✿❀

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    1. さくらこそ。じゃなくてこちらこそケロ。

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